地方公共団体が要介護者と同居する家族へ支給する手当金の所得税法上の取扱い|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
A市では、条例に基づき、介護保険法の要介護2以上の認定を受けている在宅の第1号被保険者(以下「在宅要介護者」といいます。)を介護している同居家族(以下「家族介護者」といいます。)に対して、「家族介護者支援手当」を支給することとしていますが、所得税法上、どのように取り扱われますか。
なお、この家族介護者支援手当は、介護保険法上、非課税とされる市町村特別給付には該当しません。
[制度の概要]
- (1) 支給要件
在宅要介護者が、6か月以上介護保険を利用していないこと - (2) 支給額
介護保険給付の受給者1人当たりのA市負担額をベースに算出され、在宅要介護者1名につき月額5,000円から10,000円 - (3) 支給期間
決定された支給開始月から、受給資格が消滅した日の属する月まで支給する
【回答要旨】
家族介護者支援手当については、非課税所得として取り扱って差し支えありません。
葬祭料、香典又は災害等の見舞金で、その金額が受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、課税しないものとして取り扱っています(所得税基本通達9−23)。
要介護の状態とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、相当期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態をいうものとされており(介護保険法第7条第1項)、家族介護者支援手当は、このような障害を有する者の家族に対して行われる金銭給付と考えられます。
家族介護者支援手当には見舞金的性格が認められ、また、家族介護者支援手当は、介護保険給付の受給者1人当たりのA市負担額をベースに算出されていますので、A市と家族介護者との関係において不相当に高額なものでなく、社会通念上相当と考えられます。
これらのことからすれば、家族介護者支援手当については非課税所得として取り扱って差し支えありません。
【関係法令通達】
所得税基本通達9-23
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/01/10.htm
関連する質疑応答事例(所得税)
- 介護老人保健施設の施設サービス費
- 共有住宅の取得対価の額
- マッサージ代やはり代
- 非居住者である役員が税制適格ストックオプションを行使して取得した株式を譲渡した場合
- 社会保険診療報酬の所得計算の特例と中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除との適用関係
- 非業務用資産を業務の用に供した場合
- 店舗併用住宅を新築した場合
- 入院患者の食事代
- 所得制限により住宅借入金等特別控除の適用がなかった期間がある場合の再適用の可否
- 床面積の判定
- 生存給付金付定期保険に基づく生存給付金に係る一時所得の金額の計算
- 貸家の火災に伴い所有者が類焼者に支払う損害賠償金
- 手付流れを受領した場合の仲介手数料
- 米ドル転換特約付定期預金の預入に際して受領するオプション料
- 終身積立保険移行特約により変額年金保険を終身積立保険に移行した場合
- がん保険の保険料
- 不妊症の治療費・人工授精の費用
- 医師やナースセンターに対する贈物の購入費用
- 居住する前に行った自己の所有する住宅の増改築等工事
- 役員に付与されたストックオプションを相続人が権利行使した場合の所得区分(6か月以内に一括して行使することが条件とされている場合)
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。