国際航空運送に係る航空機乗務員の役務提供等の取扱い|消費税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
(問)
航空会社が国際線の運航に際し、次の役務提供等を受けた場合の消費税の取扱いはどのようになるのでしょうか。
(1) 国際線の機内サービス業務を他の内国法人に委託した場合の委託料
次の及びの区間の当社の定期便路線に対し、内国法人であるA社から客室乗務員の派遣を受けて、機内サービス等の客室業務を委託する場合の委託料
なお、・の路線に関する対価の額は区分されていません。
(2) 国際線のパイロットを外国法人に派遣依頼した場合の派遣料
当社便の次の路線(主として国際路線であるが、一部本邦国内路線を含む。)のパイロットを外国法人であるB社に派遣を依頼し、乗務させる場合の派遣料
なお、・の路線に関する対価の額は区分されていません。
(3) 国際線の航空機を内国法人から乗務員ごと借り受ける場合の賃借料
当社の運航路線(日本〜ハワイ間)に機体(日本で登録を受けた国際線用の機体)及び乗務員ごと内国法人から借り受け、これを当社の便として運航する場合の賃借料(いわゆるウェットリース料)
【回答要旨】
(1)の取引は課税取引
(2)の取引は不課税取引
(3)の取引は免税取引
となります。
(理由)
(1)の取引
資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定は、資産の譲渡等の内容に応じ、それぞれに定める場所が国内にあるかどうかにより行うものとすると規定されており、消費税法第4条第3項第2号において、役務提供の場合は当該役務提供が行われた場所とされ、さらに、消費税法施行令第6条第2項第7号において、国内及び国外にわたって行われる役務提供の場合は当該役務提供を行う者の役務提供に係る事務所等の所在地とされています。(1)の取引は国内、国外にわたって行われる取引であり、A社は内国法人で役務提供を行う者の事務所等は日本にあります。したがって、(1)の取引は国内取引となります。
また、当該取引は、輸出等取引に該当しないため課税取引となります。
(2)の取引
(2)の取引は、(1)の取引と同様に役務提供に係る国内及び国外にわたる取引であり、(1)と同様に判断し、B社は外国法人で役務提供を行う者の事務所等は国外にあります。したがって、(2)の取引は不課税取引となります。
(3)の取引
(3)の取引は、乗務員付で航空機を借受け定期航空路線の運航に供しているものであり、消費税法基本通達7−2−9において定期用船契約に基づく用船は船舶の貸付けに該当するとされているところから、本件もこれと同様に解することができます。したがって、消費税法第4条第3項第1号及び消費税法施行令第6条第1項第3号により、航空機の登録をした機関の所在地をもって国内取引であるか否かを判定することとなります。
当該航空機は内国法人が日本で登録を受けた国際線用航空機であるため国内取引となり、また、当該取引は、消費税法第7条第1項第4号及び消費税法施行令第17条第1項第2号に規定される航空機の貸付けに該当するため、輸出免税取引に該当します。
【関係法令通達】
消費税法第4条第3項、第7条第1項、消費税法施行令第6条第1項、第2項、第17条第1項、第2項、消費税法基本通達7-2-9
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/11/05.htm
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