借地権の譲渡所得の計算｜譲渡所得
質疑応答事例（国税庁）
【照会要旨】
個人が20年前に権利金500万円を支払ってA法人から借地していましたが、建物(店舗)が老朽化しましたので1,500万円の更新料を支払って契約を更新しました。更新は、従来の木造建物からビルの所有を目的とする借地権に変るものであり、地代も2倍になっています。ところが、ビル建築の資金が調達できないため、この借地権をB法人に3,000万円で譲渡しました。
この場合の借地権の譲渡所得の長期、短期の区分及び取得費の計算はどのようにするのでしょうか。(500万円+1,500万円=2,000万円が取得費となるのでしょうか。)
(注) この土地の更地価額は7,000万円で、借地権割合は80％です。
【回答要旨】
その更新を契約の更改とみるか、単なる期間の更新とみるかの問題はありますが、期間更新であるとすれば、次のように考えられます。
借地権はあくまでも従前から保有している資産ですから、譲渡代価の3,000万円は、全部が長期譲渡所得の収入金額と認められます。
取得費については、500万円から所得税法施行令第182条の規定により必要経費に算入される減価相当額を控除した部分の金額と1,500万円との合計額によります。
【関係法令通達】
所得税法第38条
所得税法施行令第182条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/05/12.htm
関連する質疑応答事例（譲渡所得）
- 耕作権を交換譲渡し農地を交換取得した場合
- 無配株等やゴルフ会員権を寄附した場合
- 自動車保管場所の補償として支払われる建物移転補償金と収用等の特例
- 古都保存法第11条第1項の規定により土地等が買い取られる場合の租税特別措置法第34条の2,000万円控除の特例における「一の事業」の判定
- 種類の異なる代替資産を2以上取得した場合
- 人格のない社団に対する資産の寄附とみなし譲渡課税
- 第一種市街地再開発事業における「やむを得ない事情により都市再開発法第71条第1項の申出をしたと認められる場合」の判断
- 権利変換期日前での申告の可否及び被相続人が先行取得した資産を代替資産とすることの可否
- 第一種市街地再開発事業において「権利変換を希望しない旨の申出」をして取得した補償金に係る買取り等の申出の日及び先行取得
- 自己所有不動産を落札した場合の譲渡所得の課税
- 借地の一部が法人へ転貸されている場合に一括個人名義で契約した借地補償金
- 居住用家屋の所有者とその敷地の所有者が異なる場合
- 対価補償金を借地権の更改料に充てた場合の租税特別措置法第33条の適用の可否
- 一の効用を有する一組の資産
- 表の第2号の「農業」の範囲
- 交換により取得した資産を代替資産とすることの可否
- 土地開発公社が土地区画整理事業施行地内の土地を公共施設用地として代行買収する場合(2号)
- 超過物納に係る過誤納金に対する譲渡所得の課税
- 残地補償の対償に充てるための土地等の買取りに係る特例の適用の可否
- 貸付地が収用対償地として買い取られた場合において小作人が受け取る離作料に対する課税の特例の適用
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁：質疑応答事例のデータを利用して作成されています。