請負と売買の判断基準(1)|印紙税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
請負になるか売買になるかによって、印紙税の取扱いはどのように異なってくるのでしょうか。また、請負契約か売買契約かを明確に判断できないものは、どのような基準で区分するのでしょうか。
【回答要旨】
請負契約になりますと、記載金額がある場合は階級定額税率が適用される第2号文書(請負に関する契約書)になり、記載金額のない請負契約で継続するものは、第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)になります(通則3のイ)。
また、物品の売買契約になりますと、継続する売買契約で第7号文書になるものを除き、不課税文書になります。
請負契約か売買契約かの判断基準は、契約当事者の意思が、仕事の完成に重きをおいているか、物の所有権移転に重きをおいているかによって判断します。
しかし、具体的な取引においては、必ずしもその判別が明確なものばかりとはいえません。したがって、印紙税法の取扱いでは、その判別が困難な場合には、次のような基準で判断することにしています(基通第2号文書の2)。
区分 | 内容 | 請負・売買の事例 |
---|---|---|
請負契約に該当すると認められるもの | 注文者の指示に基づき一定の仕様又は規格等に従い、製作者の労務によって工作物を建設することを内容とするもの |
|
注文者が材料の全部又は主要部分を提供(有償、無償を問わない。)し、製作者がこれによって一定物品を製作することを内容としたもの |
| |
製作者の材料を用いて注文者の設計又は指示した規格等に従い一定物品を製作することを内容とするもの |
| |
一定物品を一定の場所に取り付けることによって所有権を移転することを内容とするもの |
| |
修理又は加工を内容とするもの |
| |
売買契約に該当すると認められるもの | 一定物品を一定の場所に取り付けることによって所有権を移転することを内容とするものであるが、取付行為が簡単であって、特別の技術を要しないもの |
|
製作者が工作物をあらかじめ一定の規格で統一し、これにそれぞれの価格を付して注文を受け、当該規格に従い、工作物を製作し、供給することを内容とするもの |
| |
あらかじめ一定の規格で統一された物品を、注文に応じ製作者の材料を用いて製作し、供給することを内容とするもの |
|
【関係法令通達】
印紙税法別表第一 課税物件表の適用に関する通則3のイ、印紙税法施行令第26条、印紙税法基本通達別表第一第2号文書の2
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/12/01.htm
関連する質疑応答事例(印紙税)
- 税印押なつによる納付の特例
- 不動産購入申込書
- 電子記録債権の受領に関する受取書
- 営業者の間における契約であることの要件
- 有価証券の範囲
- 課税文書の作成時期及び作成者
- 第7号文書と他の号に該当する文書の所属の決定
- 印紙税の還付が受けられる範囲
- 注文請書の記載金額
- お買上伝票
- 相手方の作成した書類等に押印した場合
- 令第26条第1号に該当する文書の要件
- 営業に関しない受取書(作成者)
- 主たる債務の契約書に追記した債務の保証に関する契約書
- 森林経営委託契約書
- 被振込人が作成する受取書
- ご進物品承り票
- 記載金額の意義
- NPO法人が作成する受取書
- 駐車場使用契約書
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。