債務者である代表者が債務超過に陥っているか否かの判断に当たり、代表者が所有する個々の資産、負債の評価は、代表者が所有する請求人の株式を含め、時価評価(純資産価額方式)によることが相当であるとした事例
[法人税法][所得金額の計算][益金の額の範囲及び計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1997/11/14 [法人税法][所得金額の計算][益金の額の範囲及び計算]請求人は、請求人の代表者は債務超過の状態にあり、同人に対する貸付金に係る利息は回収困難であるから、法人税基本通達2−1−25の(1)及び(3)に該当する旨主張するが、同通達の(1)及び(3)は、元本そのものが不良債権化したという場合であって、そのような危機的状況が生じているかどうかの一つのメルクマ−ルを「債務超過」に求めているものであるから、債務超過の状態は実質的に判断すべきであり、債務者の個々の資産及び負債を時価評価して債務超過の状態にあるか否か、また、債務者の支払能力の有無等を総合して客観的に判断すべきものと解される。そこで、請求人の株式を純資産価額方式により評価して代表者の資産負債の状況を見ると、同人が到底債務超過の状況にあるとは認められず、しかも債務の大部分は請求人からのものであるから、貸付金の元本自体の回収が危機的状況にあるとは認められない。また、同人は換金可能な土地等の不動産、株式を有していること等から、利息を支払えないことにつき客観的にやむを得ない事情、すなわち「相当の理由」があるとは認められないから、上記通達の(1)及び(3)に該当しない。
平成9年11月14日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 債務者である代表者が債務超過に陥っているか否かの判断に当たり、代表者が所有する個々の資産、負債の評価は、代表者が所有する請求人の株式を含め、時価評価(純資産価額方式)によることが相当であるとした事例
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