外国に所有するマンションに係る譲渡所得を申告しなかったため平成16年分の所得税の更正処分を受けた請求人が外国税額控除の適用があるとして同処分の取消しを求め、また、外国税額控除が平成16年分の所得税において適用されないなら、平成17年分において適用すべきとの主張を排斥した事例
[所得税法][税額の計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2007/10/09 [所得税法][税額の計算] 請求人は、A国に所在する不動産を平成16年に譲渡した所得は日本とA国の両方で課税対象となっており、二重課税の状況にあることから平成16年分の所得税において外国税額控除を適用すべきであり、また、平成16年分の所得税において外国税額控除が適用されないのであれば、平成17年分の所得税において外国税額控除を適用すべきであるから、請求人の更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の通知処分を取り消すべきである旨主張する。
しかしながら、請求人の場合、A国で納付すべき外国所得税の額が確定したのは平成17年中であり、平成16年中に納付する外国所得税の金額はないから、平成16年分の所得税額の計算において外国税額控除の適用を認める余地はなく、平成16年分の所得税の更正処分は適法である。
また、請求人が提出した平成17年分の所得税の確定申告書及びこれに添附された外国税額控除に関する明細書には、適法に計算された金額が記載されているから、更正の請求に理由がないとする当該通知処分は適法である。
平成19年10月9日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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