減価償却で節税
減価償却で節税する。減価償却資産の取得価額が、10万円未満・20万円未満・30万円未満の場合の会計処理方法。

平成14年1月4日の相続により取得した建物の減価償却費の計算及びその方法は定額法によるとした事例

[所得税法][必要経費][不動産所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

2004/03/08 [所得税法][必要経費][不動産所得]

裁決事例集 No.67 - 299頁

 請求人は、相続により取得した建物の減価償却費の計算について、所得税基本通達49−1において、所得税法施行令第120条第1項第1号に規定する「取得」には、相続による取得を含む旨定めているが、法律又は政令で明確に規定がない限り、その「取得」には相続による取得は含まないこと、所得税法第60条第1項は、相続により取得した資産の取得費について、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす旨規定していることから、減価償却資産の償却の方法も承継が認められるべきである旨主張する。
 しかしながら、不動産の取得とは、その所有権の取得にほかならず、民法は、その取得原因(取得方法)として、売買や贈与などの契約及び相続などの承継取得、また、時効取得などの原始取得についても規定していることから、相続についても売買等の契約と同様に取得原因になりうると解される。
 また、所得税法第60条第1項の規定は、単純承認に係る相続による資産の移転について、被相続人がその資産を保有していた期間中に発生した値上がり益をその相続人の所得として課税しようとする趣旨のもので、その相続人の譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費について、被相続人がその資産を取得した時から相続人がその資産を所有していたものと擬制して取得費の計算を行うために設けられたものである。そして、減価償却資産の取得価額について規定した所得税法施行令第126条第2項において、相続により取得した減価償却資産の取得価額について、相続人が被相続人の取得価額を引き継ぐ旨規定しているが、その規定は、減価償却資産について、被相続人が選定していた償却の方法を相続人が引き継ぐことまで規定したものではなく、償却の方法については、同法施行令第120条に規定するとおりであるから、請求人の主張にはいずれも理由がない。
 したがって、平成14年1月4日の相続により取得した本件建物の償却の方法については、所得税法施行令第120条第1項第1号ロの平成10年4月1日以後取得した建物に該当するので、本件建物の償却の方法は定額法となる。

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
平成14年1月4日の相続により取得した建物の減価償却費の計算及びその方法は定額法によるとした事例

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