等価交換でも譲渡所得が生じるとした上で、総収入金額に算入すべき金額を認定した事例
[所得税法][収入金額][収入金額の計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2003/02/27 [所得税法][収入金額][収入金額の計算] 資産の譲渡とは、有償無償を問わず資産を移転させる一切の行為をいうものであり、売買のほか交換や代物弁済などによる資産の移転が含まれると解されるから、資産の交換は、譲渡所得の課税の対象となる。
資産の交換の場合、交換により取得した資産の額、すなわち交換に係る対価の額と交換により譲渡した資産の取得の時の価額との差額が、当該譲渡資産を所有していた間に生じた値上がり益となるから、当該譲渡資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会にその値上がり益について譲渡所得課税が行われるものであって、交換に係る対価が金銭であるかそれ以外のものであるかによってその結論が異なるものではない。
本件土地改良区の換地設計基準により土地評価処理要領に定める本件評定価格は、近傍類似の取引価格及び地域における農業収益価格を調査・検討し、農家への意向調査などをした上で算定されており、さらに、土地改良区によって一筆ごとに現地確認などの調査をした上で各土地の等位格付が定められたものであることが認められるから、その価格算定要素及び土地の個別事情が考慮された客観的かつ具体的なものということができる。
したがって、本件交換に係る譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべき金額は、本件評定価格を基に算定するのが合理的である。
平成15年2月27日裁決
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