喫茶店を経営していた土地建物の譲渡時に喫茶店の営業権等の売買も行われたとの請求人の主張に対し、営業権等は売買されていなかったと認定し、譲渡価額全額が土地建物の対価であるとした事例
[所得税法][収入金額][収入金額の計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1995/02/27 [所得税法][収入金額][収入金額の計算] 請求人は、本件土地建物の所在地域においては、飲食店等を譲渡する場合、その土地建物のほかに営業権の存在を認め、付随して譲渡する慣習があるとし、本件土地建物は、いわゆる「居抜き」と呼ばれるそのままの状態で譲渡したもので、売買当事者は請求人の喫茶店の営業に営業権を認めて、営業権の対価を含めて売買をしたとし、本件土地建物は180,000,000円、営業権は50,000,000円、什器備品等は20,000,000円で売買したものであると主張する。
しかしながら、売買価額が180,000,000円と記載された契約書(甲契約書)と同じく250,000,000円と記載された契約書(乙契約書)があるところ、次により、乙契約書に記載された内容が真正の契約と判断され、同契約書に記載された250,000,000円は、その全体が本件土地建物の譲渡の対価と推認される。
乙契約書には、売買物件として本件土地建物のみが表示されていること。
乙契約書が真正と異なるのであれば、仮に作り替えるという約束があったとしても、請求人が同契約書に署名押印することは不自然であること等。
平成7年2月27日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 喫茶店を経営していた土地建物の譲渡時に喫茶店の営業権等の売買も行われたとの請求人の主張に対し、営業権等は売買されていなかったと認定し、譲渡価額全額が土地建物の対価であるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(所得税法>収入金額>収入金額の計算)
- 土地建物の譲渡に際し、架空の中間譲渡人を介在させて譲渡収入金額の圧縮を計ったとして、最終買受人の購入価額を譲渡収入金額と認定した原処分を相当と認めた事例
- 米国内国歳入法401kの掛金の拠出金は給与等の収入金額に当たるとした事例
- 被扶養者の入学金及び授業料等を減額免除されたことによる学費減免相当額は給与所得の収入金額に該当するとした事例
- 等価交換でも譲渡所得が生じるとした上で、総収入金額に算入すべき金額を認定した事例
- 譲渡収入金額を底地部分と権利部分にあん分する場合の更地価額について、売買契約が解除され成立していない契約の契約金額によることは適当でないとした事例
- 現物出資に係る譲渡所得の収入金額は、法人の受入価額ではなく出資による取得株式の時価であるとした事例
- 現物出資により取得した出資の価額を純資産価額方式で算定する場合、法人税等の税額に相当する金額を控除すべきでないとした事例
- 海外の顧客との商取引は請求人の売買取引ではないから、海外から送金を受けた金額は請求人の収入になるものではなく、コミッション相当額のみが収入金額であるとの請求人の主張が排斥された事例
- 不動産の譲渡に際して収受した未経過固定資産税等相当額は、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されるとした事例
- 本件土地の買主をG社、売買価額を17,130万円と認定した本件更正処分及び重加算税の賦課決定処分は適法であるとして、請求人の主張を排斥した事例
- 配当還元方式により評価する新株の価額を増資前の著しく高い配当率によらず増資後の安定した配当率を基として算定した事例
- 山林を造成して譲渡した場合の譲渡所得の収入金額とすべき金額の算定に当たり、共同造成地内の山林の売買価額を基礎とすべきであるとした事例
- 受領済の役員報酬につきそ及して減額する旨取締役会で決議したことにより、給与所得の収入金額が過大であるとしてされた更正の請求は、同決議に基づき受領済の報酬の一部を返還しても、請求人の既に確定した給与所得の収入金額には影響を及ぼさないから、更正をすべき理由がない旨の原処分は適法であるとした事例
- 店舗を立ち退く際に受領した立退料について、その支払者に精神的損害を補償する意思は認められず、また、資産損失を補償するものとは認められないことから、その全額が一時所得に係る収入金額に該当するとした事例
- 請求人が敷金を返還した事実は認められないから、当該敷金相当額は請求人の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきである旨の原処分庁の主張を排斥した事例(平成22年分〜平成24年分の所得税の過少申告加算税の各賦課決定処分、平成22年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成23年分〜平成24年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却、一部取消し・平成27年11月4日裁決)
- 固定資産を交換した場合の譲渡収入金額について、当該取得資産の状況類似地域における売買実例価額を基として算定すべきものであるとした事例
- 遅延損害金の定めのない貸付金にあっては、約定利率と同じ割合で遅延損害金が日々発生しているものと解すべきであり、本件はこれを新たに消費貸借の目的としたものと認められることから、当該遅延損害金が回収不能になったとしても所得税法第64条第1項の規定の適用はないとした事例
- 1. 現物出資により取得した出資の価額を純資産価額方式で算定する場合、会社が所有する土地の価額は相続税評価額ではなく通常取引される価額によるべきであるとした事例2. 現物出資により取得した出資の価額を純資産価額方式で算定する場合、法人税等の税額に相当する金額を控除すべきでないとした事例
- 不動産の譲渡による収入金額を認定した事例
- 借地権の無償返還と当該借地権に係る土地の低廉取得とはそれぞれの時価相当額による有償取引であるとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。