海外の顧客との商取引は請求人の売買取引ではないから、海外から送金を受けた金額は請求人の収入になるものではなく、コミッション相当額のみが収入金額であるとの請求人の主張が排斥された事例
[所得税法][収入金額][収入金額の計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1988/01/07 [所得税法][収入金額][収入金額の計算]裁決事例集 No.35 - 31頁
認定事実によれば、A社と請求人との間の仕入取引は通常の売買取引にほかならず、したがって、当該取引に係る商品(タイプライター)の所有権はA社から請求人に移転するものであり、次いで、請求人は、その所有権を取得した商品をD社等(外国法人)に送付するとともに、その対価として、D社等から、請求人において自由に設定した金額を記載したインボイス記載額の送金を受け、これにより多額の差益を得ていたものであり、しかも、請求人は、過大送金額を請求人個人の用途に費消したり、過大送金額の一部を請求人名義の定期預金にしたりするなど通常請求人の収入金額でなければできないようなことをしてきたものであって、請求人とD社等との間の取引も売買取引にほかならないということができ、したがって、請求人がインボイスに基づきD社等から送金された金額はすべて商品の輸出売上代金であって、その全部が請求人に帰属する収入金額であるというべきである。
昭和63年1月7日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 海外の顧客との商取引は請求人の売買取引ではないから、海外から送金を受けた金額は請求人の収入になるものではなく、コミッション相当額のみが収入金額であるとの請求人の主張が排斥された事例
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