土地の賃貸料につき増額要求する訴訟の係属中において供託された当該賃貸料の収入すべき時期は、供託された日であるとした事例
[所得税法][収入金額][収入すべき時期]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1980/03/24 [所得税法][収入金額][収入すべき時期]裁決事例集 No.19 - 25頁
賃貸料の額に関する係争に起因する供託金の不動産所得の総収入金額の収入すべき時期に関して、当該供託金は、不法供託の上賃借人を被告とする貸料増額要求訴訟が解決するまで還付を受けることができない未確定債権であるから原処分の認定した収入時期には誤りがあるとの請求人の主張について、当該供託金は、請求人と貸借人との間においては、本件土地の賃貸借契約についての争いはなく、その賃貸料の増額について当事者間に協議が整わないことから、貸借人が供託したものであることが認められ、手続的には適法になされていることが認められること、また、請求人は当該供託金を当該訴訟係属中に還付を受けており、その際、供託所に対し供託金額を超える部分の賃料について留保の意思表示をしていることが認められること、しかし、土地等の賃貸借契約の存否については争わず、賃料の額の多寡についてのみ争われている場合の供託金については、その供託された賃貸料相当額に係る不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、[1]賃貸料の額として確定している部分の金額については契約等により支払日として定められている日、[2]不確定な部分の金額については賃借人が賃貸料の弁済のため供託した日と解されるから、原処分庁の認定した収入時期については誤りはない。
昭和55年3月24日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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