請求人がその子会社に対する売上値引及び売買損失として損金経理した金額は、いずれも子会社に対する経済的利益の無償の供与であり、寄付金の額に該当するとした事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1988/09/13 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]裁決事例集 No.36 - 145頁
法人がその有する債権を放棄し又は他人の債務を負担したような場合には、それは一般的には経済的な利益の無償の供与に当たることとなるから、これらの行為により生じた損失の額は、寄付金の額に該当するというべきであるが、法人がこれらの行為をした場合でも、それが例えばその法人自体の経営危機を回避するためにやむを得ず行ったものであること等、そのことについて相当な理由があると認められるときは、その行為により生じた損失の額は、寄付金の額に該当しないものと解されるところ、請求人は、本件売上値引及び本件売買損失については、法人税基本通達9−4−1に定める相当な理由があるといえるから、これらの額は寄付金の額に該当しないと主張するが、本件売上値引は、通常の売上値引とは認められず、かえって、売上値引の名義をもってした子会社に対する欠損金補てんのための援助であると認められ、また、本件売買損失は、通常の取引の結果生じたものとは認められず、かえって、子会社の負担すべき損失を代わって負担することにより、子会社に対し経済的な利益の無償供与をしたものであると認められることから、請求人がその援助をしたこと又は経済的な利益の無償の供与をしたことについては、同通達に定める相当な理由があるとはいえず、いずれも寄付金の額に該当するというべきである。
昭和63年9月13日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人がその子会社に対する売上値引及び売買損失として損金経理した金額は、いずれも子会社に対する経済的利益の無償の供与であり、寄付金の額に該当するとした事例
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