滞納処分により債権差押えをする場合、全額差押えを原則としており、被差押債権の範囲を一部とするか否かは徴収職員の裁量に任されていて、その濫用が認められない限り、債権の全額差押えは違法とはいえないとした事例
[国税徴収法][差押え][財産差押えの通則][差押財産の帰属]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1992/04/08 [国税徴収法][差押え][財産差押えの通則][差押財産の帰属]請求人は、原処分庁が第三債務者に対して、請求人が有する株式全部についての株券交付請求権を差し押さえたことは、滞納国税の額をはるかに上回る差押えであり、このことは、国税徴収法第63条ただし書の規定を無視した違法、不当なものである旨主張するが、本件株式については、請求人と第三債務者の間で株券が発行済みか否か訴訟系属中であり、同株券が原処分庁へいつ交付可能となるのか、その時期が特定できない状況からすると、原処分庁が国税徴収の確実を期するため、徴収すべき滞納国税の額にかかわらず株券交付請求権の全部を差し押さえたとしても、違法とはいえない。
平成4年4月8日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 滞納処分により債権差押えをする場合、全額差押えを原則としており、被差押債権の範囲を一部とするか否かは徴収職員の裁量に任されていて、その濫用が認められない限り、債権の全額差押えは違法とはいえないとした事例
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