離婚9か月前にした妻に対する土地建物の贈与が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に該当しないとした事例
[国税徴収法][第二次納税義務][無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1985/04/17 [国税徴収法][第二次納税義務][無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務]裁決事例集 No.29 - 177頁
原処分庁は、離婚9か月前にした請求人(滞納者の妻)に対する本件土地建物の贈与は国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に該当するとして同人に第二次納税義務を課したが、[1]贈与当時、既に請求人は滞納者に対し離婚を申し出ており、その後も離婚の協議が継続していたこと、[2]離婚の協議が成立した際、滞納者と請求人との間で本件土地建物の贈与は離婚に伴う財産分与又は慰謝料の支払としての意味をもつものであることの了解があったこと、[3]離婚の原因が滞納者の家庭生活の放棄にも等しい行為に起因していることなどから、本件土地建物の贈与は、離婚に伴う財産分与又は慰謝料の支払の趣旨でなされたものであり、必要かつ合理的な理由があったものと認められるから、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡には該当しない。
昭和60年4月17日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 離婚9か月前にした妻に対する土地建物の贈与が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に該当しないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(国税徴収法>第二次納税義務>無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)
- 滞納会社の家賃収入計上漏れ等により生じた簿外の金員を取得した代表者に対する第二次納税義務の告知処分は相当であるとした事例
- 請求人の預金口座に入金された滞納者が受領すべき譲渡代金の一部については、当該預金口座の入出金状況等から当該金員が請求人の処分権限内に移転したとはいえず、滞納者から請求人への財産の無償譲渡があったということはできないとした事例
- 第二次納税義務に係る租税債務が成立した時点において無限責任社員であった者は第二次納税義務を負うと解するのが相当であるとした事例(不動産の差押処分・棄却・平成25年12月2日裁決)
- 会社法第762条の規定に基づく新設分割によって滞納法人の事業を承継した請求人は国税徴収法第38条の規定による第二次納税義務を負うとした事例
- 国税徴収法第39条が規定する「受けた利益」が取引相場のない株式である場合において、同条の第二次納税義務の限度額の算定に当たり、原処分庁がディスカウント・キャッシュ・フロー法と時価純資産法を併用して当該株式を評価したことに不合理な点は認められないとした事例(第二次納税義務の納付告知処分・一部取消し・平成27年10月28日裁決)
- 新株発行による増資は差押処分の処分禁止効には抵触しないとして、増資後の株式総数を基に第二次納税義務の限度額を算定するとした事例(第二次納税義務の納付告知処分・一部取消し・平成25年12月9日裁決)
- 滞納者が行った集合住宅の売却について、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等に該当するとした事例
- 請求人が受領した滞納会社の売掛金のうち、滞納会社の従業員に対する給与に充てられた部分以外の部分は、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分によるものであるとした事例
- 離婚に伴う財産分与が不相当に過大であるとして国税徴収法第39条に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」があったとした事例
- 滞納者の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたことは、国税徴収法第39条の無償譲渡には該当しないとした事例(第二次納税義務の納付告知処分・全部取消し・平成26年1月7日裁決)
- 妻名義で購入した不動産は、自己資金により購入した固有財産であると認定することにより無償譲渡に該当しないとした事例
- 滞納会社の所有する土地持分の上に請求人が建物を新築するに当たり、借地権の無償設定によって国税徴収法第39条にいう利益を受けたものと認定した事例
- 貸金業を営む請求人の貸金債権についての保証業務を行っていた滞納法人が業務を廃止したことに伴い、請求人が滞納法人から収受したといえる業務廃止日現在の累計保証料相当額から貸倒額を控除した部分は、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分によるものであるとした事例
- 滞納者が受け取るべき信託受益権の譲渡代金の残余金等のうち、滞納者の債務を弁済した後に生じた余剰金は、実質的に滞納者から請求人に対する無償譲渡と認められるとした事例
- 国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分の効力発生時期につき、請求人が父から贈与された農地については所有権移転に係る農地法上の許可を受けていないことから、その他の不動産等については贈与された時若しくは請求人がその不動産等に係る第三者対抗要件を具備した時のいずれに解しても、同条の「国税の法定納期限の1年前の日以後に無償譲渡等の処分が行われたこと」という要件が充足されていないとした事例
- 遺産分割協議により自己の相続分を超える不動産の持分を取得したことが国税徴収法第39条の第二次納税義務の規定に該当するとした事例
- 滞納者から金銭の贈与を受けたことを理由とする国税徴収法第39条に基づく第二次納税義務の告知処分は相当であるとした事例
- 請求人が滞納法人から、不動産売買に係る仲介手数料に相当する債務の免除を受けたとは認められないとした事例
- 債務の弁済を滞納会社から受けたことについて、同社からの利益の享受に当たらないとした事例
- 滞納法人がその構成員である組合員に対して行った賦課金の返還行為が、国税徴収法第39条の無償譲渡等に当たるとされた事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。