役員給与の一部の金額を未払金に計上した上、従業員に対する賞与の支給時期に支払った場合、当該金員は役員賞与に該当するとした事例
裁決事例(国税不服審判所)
1988/06/07 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][役員報酬、賞与及び退職給与][役員賞与]裁決事例集 No.37 - 174頁
役員に支給された給与が報酬となるか、賞与となるかは、実際に支給された給与が定期的な給与か、臨時的な給与かという支給形態ないし外形によって判断すべきところ、[1]本件役員報酬について、あらかじめ定められた支給基準に基づいて定時にその全額を支払うことができないとする特段の事情もないこと、[2]毎月の役員報酬の一部を未払金とし、その額をおおむね盆、暮れの従業員に対する賞与の支給期に支払っていること、[3]賞与の支給期に支払った金額は、未払金残高を超える金額であることから、未払金勘定に赤字が生じているが、当該赤字の金額を各事業年度の期末においては、その残高がちょうど零円となるように、その後の当該役員報酬の未払金で補てんしていること等から判断すると、当該未払金は、当初から役員賞与として支給すべきものを形式的に定期の給与にしたものにすぎない。
平成元年6月7日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 役員給与の一部の金額を未払金に計上した上、従業員に対する賞与の支給時期に支払った場合、当該金員は役員賞与に該当するとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(法人税法>所得金額の計算>損金の額の範囲及び計算>役員報酬、賞与及び退職給与>役員賞与)
- 退職した役員に支払った役員退職給与の一部を親会社に対する寄付金であるとして否認した原処分を取り消した事例
- 過大役員退職金に当たらないとした事例
- 大学に在学中の従業員(代表取締役の長男)に対する給料等の金員は代表取締役に支給された報酬、賞与であると認定した事例
- 使用人兼務役員の使用人としての職務に対する相当な賞与の額を算出する場合に比準者が存しないときはその地域の給与等の伸び率を勘案して算出すべきであるとした事例
- 適正退職給与の額を功績倍率法により算出すべきであるとの原処分庁の主張を退け、1年当たり平均額法により算出することが相当であるとした事例
- 請求人の支給した役員給与は事前確定届出給与に該当せず、損金の額に算入することはできないとした事例
- 役員給与の一部の金額を未払金に計上した上、従業員に対する賞与の支給時期に支払った場合、当該金員は役員賞与に該当するとした事例
- 役員の配偶者に支給した金員は当該役員に対する賞与であるとした事例
- 役員のみで行った旅行について、業務遂行上必要なものであったと認められないとして当該旅行費用を参加役員に対する賞与とした事例
- 期中に増額しそ及して支給した役員報酬は賞与に当たるとした事例
- 売上除外をして請求人の役員らの各預金口座に振り込まれた金員は、請求人からの役員給与に該当し、じ後に請求人に対し役員らの返還債務が発生した場合であっても、当該金員につき役員らが現実に取得している限り、当該各預金口座に振り込まれた時点で役員らの給与に該当するとした事例(平18.6.1〜平25.5.31の各事業年度の法人税の各更正処分ほか・棄却・平成27年7月1日裁決)
- 代表取締役から取締役への分掌変更に伴い支給した役員退職金について損金算入が認められないとした事例
- 親会社からの受入外人役員に支給した子女教育費について役員賞与であるとした事例
- 期末に一括支給した役員報酬の増額改定差額は臨時的な給与であり役員賞与に該当するとした事例
- 給料手当勘定に含めて支出した金員は慶弔費等の支払に充てられた事実はなく役員賞与に該当するとした事例
- 取締役会の決議に基づき期首にそ及して支給することとした役員報酬の増額改訂差額は、役員賞与に該当するとした事例
- 役員の結婚式、結婚披露宴の費用は損金算入できないとした事例
- 請求人の負担した代表者が青年会議所の会議等に出席するための交通費、宿泊費及び日当は、代表者に対する給与に該当するとした事例(平成21年11月、平成22年10月、平成22年11月及び平成23年1月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分、平成24年5月、平成24年7月及び平成25年7月の各月分の源泉徴収に係る不納付加算税の各賦課決定処分・全部取消し、平20.8.1〜平22.7.31の各事業年度の法人税の各更正処分、平23.8.1〜平24.7.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成21年10月、平成22年6月、平成23年5月、平成23年7月、平成23年10月、平成23年11月、平成24年1月〜7月及び平成24年12月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分、平成25年7月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分・一部取消し、平22.8.1〜平23.7.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分ほか・棄却・平成27年7月28日裁決)
- 地元神社の改築資金の寄付は、会社役員(社主)が実行し、その資金を営利法人たる請求人が提供したものと認定した事例
- 代表者が同人の長男を伴って海外出張した場合のその長男の海外渡航費は、法人の業務の遂行上必要な費用であるとは認められないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。