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告知処分時において譲渡担保の目的とされた債権が譲渡担保財産として存続していたとした事例

[国税徴収法][国税と他の債権との調整]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

2008/04/07 [国税徴収法][国税と他の債権との調整]

裁決事例集 No.75 - 745頁

 一般に、譲渡担保権は、弁済や担保権の実行による被担保債権の消滅に伴い消滅すると解されており、国税徴収法第24条第7項の規定からすると、同条も通常は被担保債権が消滅した場合に譲渡担保権が消滅し、譲渡担保財産が存在しなくなることを前提に規定されているものと解されるから、譲渡担保権者がその意思表示により担保権の実行を開始しても、当該実行が完了するまで、すなわち、譲渡担保財産の適正な評価又は換価をした上で被担保債権の清算等を行い、消滅する被担保債権の額が確定して消滅するまでは譲渡担保権は消滅せず、譲渡担保権の設定された財産は、譲渡担保財産として存続するものと解され、この理は譲渡担保財産が債権である場合にも当てはまると考えられる。そして、譲渡担保財産が債権の場合、譲渡担保権者としては担保権の実行として現実に譲渡債権から回収した金額と同額の被担保債権を消滅させるというのが通常の意思であることからすると、当事者間でこれと異なる特段の合意をしない限り、譲渡担保権者が第三債務者から現実に譲渡債権を取り立てて被担保債権の弁済に充当するまでは被担保債権は消滅しないから、その時点までは担保権の実行は完了せず、国税徴収法第24条第1項にいう譲渡担保財産として存続すると解するのが相当である。
 本件においては、本件滞納者と請求人との間に、第三債務者から現実に譲渡債権を取り立てて被担保債権の弁済に充当する以前に譲渡債権をその券面額で被担保債権の弁済に充当して被担保債権を消滅させるなど通常の意思と異なる特段の合意があったことは認められず、請求人の譲渡担保に係る本件各債権の回収状況をみると、本件告知処分前に請求人が本件各債権を現実に取り立てて被担保債権の弁済に充当し、被担保債権が消滅して担保権の実行が完了したということもできないから、本件各債権は、本件告知処分時において、国税徴収法第24条第1項の規定に係る譲渡担保財産に該当する。

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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