国税通則法第23条第2項第1号及び相続税法第32条第1号に定める更正の請求は、請求人にいずれか有利な規定を適用することはできないとした事例
[国税通則法][納付義務の確定][更正の請求]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1997/06/03 [国税通則法][納付義務の確定][更正の請求]請求人は、本件更正の請求は、国税通則法第23条(更正の請求)第2項第1号及び相続税法第32条(更正の請求の特則)第1号の両規定に基づく請求であり、それらの請求ができることとなった日は本件和解の成立した日の翌日からであるから、その請求の期限は、国税通則法第23条第2項の規定によるのではなく、請求人の有利な相続税法第32条第1号の規定によるべきである旨主張する。
しかしながら、国税通則法第23条第2項第1号に規定する更正の請求事由と相続税法第32条第1号に規定する更正の請求事由は、その請求事由を異にしていることが認められ、また、相続税法第32条第1号に規定する更正の請求の特則は、相続税法特有の事由であることから、国税通則法第23条に規定する更正の請求の期限後においても後発的事由に基づき更正の請求を認めるために特例的に設けられた特別規定であることからみても、これらの規定は、それぞれ異なった事実関係において適用されるべきものであり、両規定に基づく更正の請求ができると解するのは相当といえない。
請求人は、本件土地を相続財産から除外すべきであると主張するが、本件土地を相続により取得した財産であるとした当初申告を是正するための更正の請求は、国税通則法第23条第2項第1号の規定に基づくものであり、本件更正の請求は、請求期限を徒過してなされた不適法なものであるから、相続税の課税価格の計算に当たっては、本件土地が相続により取得した財産であることを争い得なくなったことになる。
平成9年6月3日裁決
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