滞納処分取消請求事件|平成11(行ウ)86
[納付義務者][納税義務者][相続税法][第二次納税義務]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成13年6月21日 [納付義務者][納税義務者][相続税法][第二次納税義務]判示事項
1 相続税の滞納処分として不動産の参加差押処分を受けた者が,相続税法(平成15年法律第8号による改正前)34条1項により負担した連帯納付義務の消滅時効が完成しているとして,前記処分の取消しを求めた請求が,棄却された事例2 相続税の滞納処分として固有財産の差押処分及び参加差押処分を受けた者が,相続税法(平成15年法律第8号による改正前)34条1項にいう「相続又は遺贈により受けた利益に相当する金額を限度とする」とは,現に利益が存する限度をいうとして,前記各処分の取消しを求めた請求が,棄却された事例
裁判要旨
1 相続税の滞納処分として不動産の参加差押処分を受けた者が,相続税法(平成15年法律第8号による改正前)34条1項により負担した連帯納付義務の消滅時効が完成しているとして,前記処分の取消しを求めた請求につき,同法34条1項の連帯納付義務は,納税義務者を相続により財産を取得した者に限定すると,共同相続人中無資力の者があるなど相続税の徴収を確保することが難しい場合があることから,相続税の徴収の確保及び徴収面における相続人間の公平を図るため,自らが負担すべき固有の相続税の納税義務のほかに,他の相続人等の固有の相続税の納税義務について,当該相続等により受けた利益の価額に相当する金額を限度として,互いに連帯して負担するよう課した特別の履行責任であると解され,この連帯納付義務は,補充的に責任を負わせるものでない点で租税保証債務や第二次納税義務とは性質が異なるが,本来の納税義務者でない者に納付責任を負わせる点では主たる納税者の納税義務との関係において附従性を有する租税保証債務及び第二次納税義務に類似した性質を有するというべきであるから,本来の納税義務者に対して生じた時効中断は,連帯納付義務者に対しても効力を生ずるとした上で,本来の納税義務者の消滅時効は中断し,その中断事由は継続しているとして,前記請求を棄却した事例2 相続税の滞納処分として固有財産の差押処分及び参加差押処分を受けた者が,相続税法(平成15年法律第8号による改正前)34条1項にいう「相続又は遺贈により受けた利益に相当する金額を限度とする」とは,現に利益が存する限度をいうとして,前記各処分の取消しを求めた請求につき,同項が自己の固有の相続税の納付義務のほかに他の相続人等の相続税の納付義務について互いに連帯納付義務を負わせることとした趣旨及び目的は相続税の徴収の確保及び徴収面における相続人間の公平を図る点にあること,相続により取得した財産の価額は相続開始時の時価により評価され,これを前提として各相続人の相続税の納税義務が確定されることに照らすと,連帯納付義務の限度である「相続に因り受けた利益の価額」は相続開始時を基準として算定されるべきものと解するのが相当であって,その後に相続財産が減少したとしても,連帯納付義務が現に利益が存する限度に限定されるものではないとして,前記請求を棄却した事例
- 裁判所名
- 大阪地方裁判所
- 事件番号
- 平成11(行ウ)86
- 事件名
- 滞納処分取消請求事件
- 裁判年月日
- 平成13年6月21日
- 分野
- 行政
- 全文
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- 裁判所:行政事件裁判例
- 滞納処分取消請求事件|平成11(行ウ)86
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