相続により取得した建物の周囲にある緑化設備は、共同住宅の敷地内に設けられた構築物であるから、財産評価基本通達97の定めにより評価すべきであるとした事例
[相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2010/06/09 [相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利] 請求人らは、3階建共同住宅の周囲に設けられた花壇、植木及び照明灯などの緑化設備は、公共道路の植込み及び街路灯と同じ役割を担っており、不特定多数の者の通行の用に供されている私道と一体として機能しているから、その公共的な利用状況をもって、その評価額は零円である旨主張する。
しかしながら、当該緑化設備は、その一部はコンクリートブロックにより当該私道とは区分されており、また、他の一部は当該私道に面しておらず、いずれも賃貸建物である当該3階建共同住宅の敷地内に設けられた構築物であって、当該私道そのものではないから、当該緑化設備の評価に当たり、財産評価基本通達24の定めは適用されない。また、財産評価基本通達24が不特定多数の者の通行の用に供されている私道を評価しないこととしているのは、その私道の廃止又は変更が制限されるなど、一定の利用制限を余儀なくされることから、換価性が著しく低く経済的価額を評価するまでに至らないことによるものと解されるところ、当該緑化設備は、経済的価額を評価するまでに至らないものとは認められないから、財産評価基本通達により難い特別な事情があるともいえない。
したがって、当該緑化設備は、財産評価基本通達に則して、同通達97により評価すべきである。
《参照条文等》相続税法第22条財産評価基本通達24、97
平成22年6月9日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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