給与所得で節税
給与所得で節税する。給与所得の計算や税額について。役員賞与やみなし役員、社会保険の負担増に注意。役員報酬に関する規程サンプルなど。

医療法人の出資持分の評価に際し、相続開始時点において既に退社した社員が出資金払戻請求権を行使していない場合であっても、当該出資持分については、当該退社社員が退社する直前の出資持分の総口数から当該退社社員が有していた出資持分の口数を控除した後の口数を総口数として、財産評価基本通達194−2の定めにより評価するものとした事例

[相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

2011/06/28 [相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]

平成23年6月28日裁決

《要旨》 原処分庁は、医療法人K会の出資持分(本件出資持分)について、本件相続開始時点で本件被相続人名義でないものも存するが、実質的に支配・管理していたのは本件被相続人であるから、同人に帰属するのは910口である旨主張する。
 しかしながら、財産の帰属については、当該財産の名義のほか、運用状況・取得原資の出えん者と名義人及び管理運用する者との関係・贈与契約の有無等の諸要素を総合勘案して当該財産の実質的な帰属を判定すべきであり、私法上の行為によって当該財産の帰属が変更された場合、当該財産を取得した者は当該財産を自由に利用・処分することができるのであるから、総合勘案に当たっては、当該私法上の行為による担税力の変動を前提に課税関係を判定すべきであり、当事者の実体の伴わない意図で法律行為を行うなど、私法上も当該財産の帰属が変動しないと解すべき特段の事情のない限り、これを否定することは適切ではない。本件においては、K会の設立当初は、本件出資持分910口の全部が本件被相続人に帰属していたと認められるものの、その後、本件被相続人と各相続人との間で本件出資持分合計845口を贈与する旨の契約書が作成されており、当該契約書は真正に作成されたものと認められ、本件被相続人及び当該各相続人との間で実質的にも贈与契約に係る意思が存在していたと認められることから、当該贈与契約は有効に成立しているものと認められる上、当該贈与について社員総会の承認も得ていることからすると、本件出資持分845口については、当該各相続人に移転したと認めるのが相当である。これらのことからすると、本件相続開始時において本件被相続人に帰属する本件出資持分の口数は、65口(910口−845口)となる。
 なお、K会の定款の定めによれば、出資持分を有する社員は、退社により社員たる地位を喪失し、K会に対する出資持分を失うとともに、払込済出資額を限度とする出資金払戻請求権を取得することになるところ、当該各相続人は、いずれの者も本件相続開始前に退社していることからすると、当該各相続人は、本件相続開始時において、K会に対する出資持分を失っていることとなるから、本件相続開始時におけるK会の出資持分の総数は、本件被相続人が保有する65口となる。したがって、本件出資持分の評価は、本件被相続人が保有する65口を総口数として、財産評価基本通達194−2《医療法人の出資の評価》の定めにより評価することとなる。

《参照条文等》 財産評価基本通達194−2

《参考判決・裁決》 最高裁平成22年7月16日第二小法廷判決(裁判所Web) 最高裁平成22年4月8日第一小法廷判決(民集64巻3号609頁)

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
医療法人の出資持分の評価に際し、相続開始時点において既に退社した社員が出資金払戻請求権を行使していない場合であっても、当該出資持分については、当該退社社員が退社する直前の出資持分の総口数から当該退社社員が有していた出資持分の口数を控除した後の口数を総口数として、財産評価基本通達194−2の定めにより評価するものとした事例

関連するカテゴリ

関連する裁決事例(相続税法>財産の評価>土地及び土地の上に存する権利)

  1. 協業組合の出資の評価については、評価基本通達179を適用して評価することが相当とした事例
  2. 使用貸借により貸し付けられている土地について、使用借人が賃貸建物の敷地として利用していても自用地の価額により評価するのが相当であるとした事例
  3. 貸付金債権に係る債務者に返済能力等が認められないから、その貸付金債権の評価額は零円であるとした事例
  4. 不整形地の評価をするに当たって原処分庁が採用した想定方法による整形地は財産評価基本通達20に定める想定整形地に当たらないとした事例
  5. 1. 請求人が土地の価額に影響を及ぼすと主張する諸要因は、路線価額に折込み済みであるとした事例2. 借地権の目的となっている宅地は、評価通達によって評価すべきであり、収受している地代を基にして収益還元法によって評価すべきでないとした事例
  6. 定期預金の評価上、既経過利子の額の算出については、解約利率により算出した額から、源泉徴収所得税相当額を控除すべきであるとした事例
  7. 取引相場のない株式につき発行会社との間で譲渡価額を額面価額による旨を誓約している場合において、額面価額による評価は採用できないとした事例
  8. 借地権の設定されている土地の評価に当たり、自用地としての価額から控除すべき借地権の価額はないとした事例
  9. 本件土地の価額は、相続後に本件土地を譲渡したときの価額の7割相当額によるか、又は公売価額を基準として算定した金額とすべきとの請求人の主張に対して、路線価は時価を上回っておらず、また、特殊性のある公売価額を客観的時価と認めることはできないとした事例
  10. 合併の際、被合併法人から上場株式を著しく低い価額で受入れ、作為的に評価差額を創り出した場合には、純資産価額方式による取引相場のない株式の評価上、その創り出された評価差額に対する法人税等相当額を控除することはできないとした事例
  11. 相続により取得した土地は、いわゆるマンション適地等に該当するので、財産評価基本通達24−4に定める広大地に該当しないとした事例
  12. 評価対象地につき、路地状開発により戸建分譲を行うことが経済的に最も合理性のある開発に当たる場合には、公共公益的施設用地の負担の必要性がないため、財産評価基本通達24−4(広大地の評価)の適用はないとした事例
  13. 贈与財産である取引相場のない株式を純資産価額方式で評価する場合において、当該株式の発行法人が有する営業権の価額は財産評価基本通達の規定により評価することが相当であるとした事例
  14. 貸宅地の評価においては、一般に借地権価額控除方式には合理性があり、また、請求人らが採用した収益還元方式の「純収益」や「還元率」は標準化されたものとは認められないとして、請求人らの主張する評価方式を排斥した事例
  15. 土地(私道)が不特定多数の者の通行の用に供されていたとは認められないからその土地の価額は自用宅地の価額の60パーセントに相当する金額により評価することが相当であるとした事例
  16. 医療法人の出資持分の評価に際し、相続開始時点において既に退社した社員が出資金払戻請求権を行使していない場合であっても、当該出資持分については、当該退社社員が退社する直前の出資持分の総口数から当該退社社員が有していた出資持分の口数を控除した後の口数を総口数として、財産評価基本通達194−2の定めにより評価するものとした事例
  17. 贈与財産である宅地について、借地権の存する土地として評価するのが相当とした事例(?平成21年分の贈与税の更正処分、?平成21年分の贈与税に係る過少申告加算税の賦課決定処分・?一部取消し、?全部取消し・平成26年5月9日裁決)
  18. 地方公共団体に貸し付けられている土地の価額について、何ら減損していないので借地権相当額を何ら減額すべき事由はなく、自用地としての価額と同額で評価するのが相当であるとした事例
  19. 請求人が相続により取得した取引相場のない株式は、「同族株主以外の株主等が取得した株式」には該当しないことから、配当還元方式で評価することはできないとした事例
  20. 取引相場のない株式の評価を類似業種比準方式で行うに当たって、評価会社の1株当たりの配当金額及び利益金額を最大5年間までさかのぼって算定すべきである旨の請求人の主張を排斥した事例

※最大20件まで表示

税法別に税務訴訟事例を調べる

当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。


戦略的に節税するための無料ツール

一括節税計算機
※所得を入力して、税目別に税額を一括比較する
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

 本サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

 本サイトでは掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
新着情報 RSS
01/29 生命保険で節税
02/08 所得税の延納(利子税)で節税
09/26 経営セーフティ共済で節税
02/22 役員報酬(事前確定届出給与)で節税
02/19 不動産(再建築費評点基準表)で節税
新着情報を見る
節税対策ブログ
02/13 所得税確定申告で誤りの多い12項目(2019年度版)
01/29 死亡退職金の受取人(役員退職慰労金規程と相続税)
02/22 所得税確定申告で誤りの多い事例とは
02/02 クレジットカードポイント等の税務処理
02/01 ふるさと納税特産品と株主優待の税務処理
節税対策ブログを見る
アクセス数
今日:382
昨日:756
ページビュー
今日:1,256
昨日:1,477

ページの先頭へ移動