地価の急落により時価が路線価を下回る、いわゆる逆転現象が生じているとして、鑑定評価額による申告がなされたが、相続開始日における時価は相続税評価額を上回っていることが認められるとして、原処分庁が相続税評価額により評価したことを相当と認めた事例
[相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1997/11/06 [相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利] 請求人は、本件各土地の存する地域は地価が急落しており、時価が路線価を下回る、いわゆる逆転現象が生じているので、不動産鑑定士の鑑定評価額による申告を認めるべきである旨主張する。
しかしながら、本件鑑定評価額には次のとおり種々の不適切な点が認められることから、本件鑑定評価額が相続税法第22条に規定する時価を表しているものとは認められない。
本件鑑定評価書が採用した収益事例は、その属する地域が本件各土地の近隣地域と同一需給圏とはいえないことから、不適切なものと認められる。
本件鑑定評価書が採用した公示地は、その属する地域と本件各土地の近隣地域との特性に相当の相違がみられることから、不適切なものと認められる。
そこで、当審判所において本件各土地の相続開始日における価額について検討したところ、本件各土地の価額は、原処分庁が評価基本通達に基づいて評価した価額をいずれも上回っていることが認められた。
よって、原処分庁が本件各土地の価額を相続税評価額により評価したことは相当と認められる。
平成9年11月6日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 地価の急落により時価が路線価を下回る、いわゆる逆転現象が生じているとして、鑑定評価額による申告がなされたが、相続開始日における時価は相続税評価額を上回っていることが認められるとして、原処分庁が相続税評価額により評価したことを相当と認めた事例
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