相続税法第55条にいう「相続分の割合」とは、共同相続人が他の共同相続人に対して、その権利を主張することができる持分的な権利の割合をいうものとした事例
[相続税法][相続税の課税価格の計算][債務控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2005/03/17 [相続税法][相続税の課税価格の計算][債務控除]請求人は、一部分割後の残余の未分割遺産に係る相続税法第55条の適用に当たっては、当該残余の未分割財産に法定相続分の割合を乗じた金額を課税価格に配分すべきであるから、課税価格は更正の請求前のそれを下回ることとなる旨主張するが、民法上、相続分とは、共同相続人の相続財産全体に対する分け前の限度、普通はその割合をいい、相続財産の中の具体的財産ではなく、相続財産全体に対する持分であると解されているから、相続税法第55条の適用に当たっては、共同相続人各人は、他の共同相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張することができると解される。そうすると、残余の未分割遺産が当該主張することができる金額を上回る本件の場合においては、課税価格は更正の請求前のそれと同額となるから、原処分は相当である。
平成17年3月17日裁決
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