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請求人は、資力を喪失していないので、相続税法第8条ただし書の適用ができないとした事例

[相続税法][贈与税の課税財産の範囲][贈与財産の範囲]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

1997/03/31 [相続税法][贈与税の課税財産の範囲][贈与財産の範囲]

裁決事例集 No.53 - 356頁

 請求人は、相続税法第8条(贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合−債務免除等)ただし書に規定する資力喪失か否かの判定(所有財産の時価算定)に当たり、[1]株式は平成5年11月25日から30日までの終値の平均値、[2]本件宅地は平成6年分の路線価、[3]本件家屋は固定資産税評価額及び[4]母Kからの相続財産は遺留分によって計算すべきである旨主張する。
 ところで、相続税法第8条ただし書は、第1号に規定する債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合においてその全部又は一部の免除を受けたときには、その債務を弁済することが困難である部分の金額を限度として、贈与税の課税対象から除外する旨規定しており、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合とは、その者の債務額が積極財産の額を超えるときのように社会通念上支払不能と認められる場合をいうものと解されている。
 そうすると、債務免除があった場合に、当該債務の免除が贈与に該当するか否かの判断は、債務者が債務免除を受けた時点において債務超過であったか否かによることが相当であると認められ、この場合、債務者の財産の価額又は債務額は、債務免除があった時の時価によるのが相当であると解される。
 本件の場合、[1]請求人所有の株式の価額は、平成5年11月25日の終値(1億6,459万円)によるのが相当であり、また、買建ての信用取引の含み損失額は、買建ての約定金額から同日の終値と金利相当額を控除した金額(1億2,492万円)によるのが相当であること、[2]本件宅地の価額は、接面道路、面積及び用途地域が同一である公示地の平成5年及び平成6年の公示価格から比凖し、更に時点修正した価格が相当であり、これに地積と持分(3/4)を乗じた1億4,892万円となること、[3]昭和62年11月に新築した本件家屋の価額は、取得価格1億4,392万円から減価償却費相当額を控除した1億3,096万円が相当であること、[4]請求人が母Kから相続した財産は1億2,682万円、債務等は225万円、税額は1,966万円であることから、請求人が被相続人からa株式会社ほか2銘柄の本件株式の返還義務の免除を受けた平成5年11月25日における請求人の積極財産の額は6億2,905万円、債務等の額は4億5,343万円であり、差引1億7,562万円の超過となり、3,149万円の債務超過という請求人の主張は採用できない。
 したがって、本件株式の返還義務免除7,848万円は、相続税法第8条ただし書に該当しないので、贈与により取得したとみなされるのが相当であり、同法第19条(相続開始前三年以内に贈与があった場合の相続税額)の規定により相続税の課税価格に加算されることとなり、請求人らの相続税の課税価格及び納付すべき税額は、いずれも異議決定を経た後の更正処分の金額と同額であるから、更正処分は適法である。

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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