被相続人が相続開始後認知された子Mに渡した小切手(額面45,000千円)は、預け金ではなく、Mに贈与されたものであり、相続財産に属さないと認定した事例
[相続税法][相続税の課税財産の範囲][預貯金等]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1994/06/30 [相続税法][相続税の課税財産の範囲][預貯金等] 原処分庁は、被相続人が相続開始後判決により認知された子であるMに渡した本件小切手は、自ら本件宅地を取得する意思をもって、その購入のためMに預けたものであるとし、本件小切手の返還請求権は相続財産に属するとして原処分をした。
しかし、被相続人が本件宅地を取得するために仲介業者に渡した買付証明書は、発行後7日目に返却を受けており、それから2か月後に交付された本件小切手は、本件宅地を取得するためのものとは認められず、一方、本件小切手を受け取ったMは、小切手を自己の預金口座に入金した後、40,000千円を4行へ送金し、それぞれ10,000千円の自己名義の定期預金を設定していること及び被相続人から本件小切手をMの妻に手渡すことを指示された者は、被相続人からMの不動産の取得資金として交付するように言いつけられたと答述していることなどから、本件小切手はMに贈与されたものと認められるので、相続財産から除外するのが相当である。
平成6年6月30日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 被相続人が相続開始後認知された子Mに渡した小切手(額面45,000千円)は、預け金ではなく、Mに贈与されたものであり、相続財産に属さないと認定した事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(相続税法>相続税の課税財産の範囲>預貯金等)
- 雇用主が契約した生命保険契約に基づき保険金受取人である被相続人の遺族が取得すべき死亡保険金の一部を雇用主が遺族から贈呈を受けた場合に、その残額はみなし課税財産である退職手当金等に当たるとする請求人の主張がしりぞけられた事例
- 他人名義となっている定期貯金の真実の所有者は被相続人であると認定した事例
- 香港に所在する財産について、相続税の課税財産と認定するとともに、その時価を香港政庁に提出された遺産宣誓書に記載されている各財産の価額の邦貨換算額により評価した原処分を相当と認めた事例
- 被相続人が相続開始後認知された子Mに渡した小切手(額面45,000千円)は、預け金ではなく、Mに贈与されたものであり、相続財産に属さないと認定した事例
- 被相続人の死亡は業務上の死亡に当たらないから、弔慰金の額は、同人の死亡当時における普通給与の半年分に相当する金額とするのが相当であるとした事例
- 被相続人の家族名義の預貯金等について、その管理状況、原資となった金員の出捐者及び贈与の事実の有無等を総合的に勘案したところ、被相続人に帰属する相続財産とは認められないとした事例(平成21年12月相続開始に係る相続税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分・全部取消し・平成25年12月10日裁決)
- 支給を受けた死亡退職金の一部を返還したとしても、相続税法第3条第1項第2号に規定する死亡退職金の額には影響を及ぼさないとして請求人らの主張を排斥した事例
- 被相続人の雇用主である会社が契約した生命保険契約による支払を受けた保険金について、相続税法第3条第1項第1号に規定する保険金に該当するものとした事例
- 被相続人の相続開始数日前に相続人によって引き出された多額の金員は、被相続人によって費消等された事実はないことから相続財産であると認定した事例
- 毎年保険料相当額の贈与を受け、その保険料の支払に充てていた場合における受取保険金は相続により取得したものとはみなされないとした事例
- 相続人名義の預貯金がそもそも被相続人に帰属していたものではないと認定した事例
- 被相続人の妻名義及び子名義の預貯金及び有価証券がその管理状況及び原資等から相続財産であると認定した事例
- 金融機関が行った貸付債権と預金の相殺は、民法第506条第2項の規定により双方の債権が相殺適状を生じた時まで遡及するが、相続開始日はそれ以前であるから、当該預金は相続財産を構成するとした事例
- 被相続人が同族法人に対して有していた債権は、消滅時効の完成により消滅していたとはいえず、被相続人に帰属するものと認定した事例
- 相続人又はその家族名義の預金、株式及び割引債について、生前贈与された資金の運用により取得されたものではなく、被相続人が請求人に指示して管理運用していたもので、その一部を除き相続財産であると認定した事例
- 相続開始直前に銀行預金から引き出した現金について、相続開始時における手持現金と認定した事例
- 所得税の課税処分取消訴訟継続中に被相続人が死亡した場合、相続人である請求人は訴訟上の権利、すなわち過納金の還付を求める権利を相続により取得したとした事例
- 被相続人のゴルフ会員権は財産的価値を有し相続財産に含まれるとした事例
- 貸金債権は生前において回収不能を理由に既に放棄されていたとの請求人の主張を退けた事例
- 被相続人の株式売却代金を原資として設定された相続人名義預金の一部を相続人固有の財産と認定した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。