青色申告に係る年分の所得金額を更正する場合の理由付記の程度について適法とした事例
[所得税法][青色申告の承認、承認の取消し]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1988/09/12 [所得税法][青色申告の承認、承認の取消し]裁決事例集 No.38 - 93頁
青色申告に係る年分の所得金額の更正を行う場合における、更正の理由付記の程度としては、納税者の申告のいかなる点にどのような誤りがあり、また、更正された数値がどのようにして算定されたものであるかが理解できる程度であれば足り、それ以上に事実関係の細部にわたり法的評価及び判断の根拠となった事実関係までも記載することは要しないものと解されるところ、本件においては、原処分庁は、請求人が同族会社に支払った本件建物の賃料の額及び医薬品の仕入れ金額の支払事実を否認して更正したものでなく、その支払金額が極めて高額であり、これらの行為又は計算に基づいて事業所得の金額を計算することは、請求人の所得税の負担を不当に減少させるものであると認定した上、所得税法第157条の規定を適用してその一部請求人のを事業所得の金額の計算上必要経費の額に算入することができないとしたものである旨を付記しており、処分の内容は特定され、その金額及びその金額の計算根拠も明示されているのであるから、請求人は、処分の理由を具体的に知ることができるものであって、本件更正通知書の理由付記の程度は、更正の理由付記として十分なものと認められる。
平成元年9月12日裁決
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